tikoです。
今日は、1歳の娘から学んだことをシェアしたいと思います。
名付けて、「カマスvs. 娘 〜壁を超えるのはどちらが先か〜」です。
カマスは、英語名バラクーダ、大きいものは2m近くにもなる肉食の魚ですが、食卓や居酒屋の人気者でもありますね。
ジョルノ達のチームを苦しめた「クラッシュ」のような獰猛さも発揮する魚で、体長約1,800mmの私も負けそうですが、1歳の娘でもある領域においては、互角以上の勝負ができるかも・・・そう思わせるような出来事に、先日遭遇しました。
そしてそれは、ひいては私達大人の思考をも、超越しうるものでした。
この記事は、子どもから学ぶというテーマのもと、1才児の行動や思考から人間の根源的な仕組みを見つけ出し、自分のルーツやビジネスにおける何かの法則を探るという目的で、大真面目に書いてます。
今回は、誰もが陥るであろう「壁」のことについてです。
是非、楽しんで読み進めて頂けると幸いです。
Contents
カマスの実験、ご存知ですか?
割りと有名な話で、もしかしたらあなたもご存知かもしれませんが、「カマスの実験」という話があります。
まず、中心に透明なガラス板で仕切りを作った、特殊な水槽を用意します。
水槽は一見、フリーに泳ぎ回れるかと思いきや、透明な壁で二部屋に仕切られているというわけですね。
そして、片方の部屋にお腹を空かせたカマスを、もう片方の部屋には、カマスの大好物である小魚を放します。
カマスさんは「ウム、うまそうじゃあないか 一つくれ」といわんばかりに、紳士的に捕食をしようとしますが、ガラスの壁に阻まれていっこうに食べることが出来ません。
しばらくはトライするのだそうですが、そのうちに諦めてしまい、食べようとすることすら、しなくなってしまうのだそうです。
しかも、そうなってしまった後に仕切りを外しても、カマスは魚を食べに行かないのです。目の前を魚がよぎったとしても同じで、いずれ餓死してしまう・・・と、そんな話です。
なんとも社会風刺的な話ですよね。抑え込まれ続け、自分の中に壁を作り出し、いずれはその壁に自ら阻まれて自滅する。
この話は、このあとの「何も知らないニューカマーなカマスを水槽に入れ、捕食する様を見せることで、再び元のカマスに戻すことができる」というところまでを含めて、よく組織の活性化などの話に絡めて引用されます。
ここまでを踏まえた上で、私の娘の話を聞いてください。
娘にとっての壁と、それをつくった私という親
うちでは、まだまだ目の離せない娘(1歳8ヶ月目)が危険な行動を取らないように、リビングとキッチンを隔てる壁を設置しています。
唯一の通路に、大人は跨ぐことのできる60cmほどの高さのボックスを設置しているのです。娘にとっては、文字通りの壁です。
これによって、私達大人は通行することが出来ますが、娘は通れないという状況を、意図的に作っているんですね。
なぜなら、キッチンは危ないものが一杯だから。
・カウンターの上に置かれた食器、包丁など
・電子レンジやオーブンをまとめて置いてある棚
・炊飯器などの加熱調理器具
などなど・・・
ところがある日、娘はこの壁をふと乗り越えてしまったんです。明日って今さ!
ここで面白いと私が感じたのは、「物理的な壁」と、「精神的な壁」の二つの壁についてです。
物理的な壁
まず、娘にとってのウォール・マリア。物理的に行く手を阻む、ブロックです。
目に見える壁、と言っても良いでしょう。
娘にとっては、かつて胸の高さまであり、足をかけることも出来ない高さです。
これを超えられず、壁の向こうで泣いていたこともありました。
精神的な壁
次に精神的な壁です。
心の壁と呼んでもいいでしょう。
私達夫婦は、事あるごとに娘に「ここからは来られないからね」というように、娘に語りかけることによって、娘の中に一種のメンタルブロックを作ることに成功していました。
実際に、ある程度身体も成長し、登ることも可能な状態となってからも、しばらくは乗り越えることをしていませんでした。
二つの壁を突破したのは、他でもない、1才児の意志でした
こうして、安全への配慮とはいえ娘の行動を制限していたのですが、ある日ふとこれを突破してきて以来、みるみるうちに乗り越え方をマスターし、完全にフリーパスと言っても過言ではない気軽さでこちら側にご来場されるようになってしまいました。
もはや、最初からそこに壁など無かったかのようです。
私はこの様子をみて、日常でぶつかるさまざまな障壁というのも、目に見えている壁として、また心に自ら作った壁として、私達を阻んでいる「かのように見えるだけ」なのかもしれないな、と思いました。
娘は歩きもこなれてきて、走り出すくらいの時期です。子育てされている方ならおわかりかと思いますが、日々フィジカルは成長していて、どんどんできることが増えています。
それはもう毎日毎日、自分の限界を試す冒険を続けているんですね。
ブロックに対して、ただ毎日、トライし続けた事によって、身体的に乗り越えることが感覚的に掴めたのだと思います。
肉体的な成長が子どもほど劇的でない私達でも、チャレンジすることの、「0を1にしようとする行為」の大切さを、ここから学ぶことができると思いましたね。
そして、精神的な壁は1才児の行動をも制限していました。
物理的に超えられる壁であっても、心に自分で作った壁が、自分の行動を制限してしまう。これはまさに冒頭に上げたカマスの実験のようです。
ここまで幼い子にまで作用する力が、我々大人の行動を縛っていないわけがないのです。
この重力のような恐るべき影響力を正視して、あなどらずに理解することがどれだけ難しいか・・・と、しみじみ感じました。
そして、最終的にはこれらの壁を突破するのは「意志の力」であるということも。
それは、挑戦だったり、好奇心だったり、進化を求めての行動だったり・・・決して死んだ魚の目をしたカマスから生まれるものではありません。
うちの1才児の場合、同じ頃の仲間が乗り越えるのを見たわけでもないのですからね(妻にこの話をしたら、私たち夫婦が超える様子はいつも見ていたよね・・・と言われましたが、乗り越え方も違うし、物理・精神両面における壁を設置して「阻む力」を働かせていた側ですので、やっぱりそれは参考にならなかったと思うのです)
私達のまわりに存在する壁
もちろん私の周りにも、いろいろな壁が存在しています。
でも、見えたり見えなかったりする壁なんて、ほんとうに超えられないものなのでしょうかね?
大事なのはそれを自分の意志で問う、確かめてみる、という行動ですね!
1歳の娘から、大事なことを教わりました。
子どもの思考や行動をみることで、人間の行動原理をダイレクトに観察することが出来ます。
それは自分の価値観やあり方の起源を辿るようなもので、日々ほんとうに色々な気づきを与えてくれます。
いろんなシガラミや煩悩など、多くの情報を持ちすぎて目が曇っているだけかもしれませんね。
よーく見渡してみましょう。
以上、娘の行動とカマスの実験についてのTIPSでした。
あなたにとって、有益な情報であれば幸いです。